アルバート邸は、主人と結婚記念日の時にも、行かせていただきました。
お客様にサロンの場所を説明するときにも、「結婚式場の隣です」と言えばすぐに伝わるほど、わかりやすくて、華やかで、そして心に残る存在でした。
式場で働いているスタッフの方たちは、皆さん本当にかっこよくて、忙しそうにしながらも、私とすれ違えば「こんにちは」と声をかけてくれたり、朝は会釈を交わしたりと、温かい空気をつくってくださっていました。
そうした日々のやりとりも、私にとってはとても大切な記憶です。
冬になると、式場のイルミネーションがそれはもう綺麗で、夜になるとまるで別世界のような景色が広がっていました。
ある年、イルミネーションを一緒に見ていた息子が、「おおきくなったら、ここでママとけっこんしきする!」と言ってくれたことがありました。思いがけない可愛すぎるプロポーズに、笑いながらも胸がじんわりとあたたかくなったのを覚えています。
そんな思い出のある式場が、来月閉館してしまうと知り、寂しい気持ちはやっぱりあります。
けれど同時に、「お客様と過ごす時間の大切さ」を改めて感じるきっかけにもなりました。
これからも、変わらず―― 来てくださるお客様一人ひとりに寄り添う、あたたかいサロンであり続けたいと思います。 ロココ